レアケースがあったので情報を共有します。
宅建業法に定められた説明義務のある「法令上の制限」には登場してこないのですが、
「鉱業法」は注意を要します。
沖縄では地下資源が少ないのであまり馴染みがないのかも知れませんが、
いま売買のお手伝いをしている名護市安和の売地(http://beach2103.com/sale/3076/)
を調べているうちに把握しました。
この土地は近隣にセメントの原料を採掘する鉱山があったので、
もしやと思い調べると、やはり石灰岩の地層であり、
鉱業権の一種である採掘権と試掘権が設定されていました。
売主はこのことを全く知らなかったのですが、
不動産の登記簿に権利が設定されるわけではありませんし、
周知されることもありませんから、知らないのは当然です。
これは、鉱業権が設定されるのは地下深くの鉱物資源に対してであるからです。
地表と地下深くの資源は「所有者が別」という考え方ですね。
鉱物資源は国のモノであり、鉱物資源を採掘して活用したい(現実に採掘する能力のある)事業者
に対して国が鉱業権を許可します。
採掘するためには地表のどこかから掘り進めないといけませんが、
これが取引する土地に該当する場合、土地所有者が採掘事業に対して協力したくなくても、
採掘事業に合理性があれば、公権力により「強制的に土地を使用・収用」することが可能となります。
収用の可能性がある以上は、不動産取引の重要事項説明書に記載するべきことであると私は考えています。
今後の人生で「鉱業法による収用」に該当するケースはほぼないと思いますが、額の大きい不動産取引のミスは
一発退場があり得るので用心しておくにこしたことはないですね。
ちなみに、採掘権・試掘権を調べる場所は法務局ではなく、内閣府沖縄総合事務局(名護から遠い・・・)でした。
採掘権・試掘権を記載した書面(鉱業原簿)、鉱区図を取得しようとしたら、
めちゃくちゃ高くて涙目となりました(›´ω`‹ )
しかし、ただの山林と思っていたのが、見方を変えれば宝の山!ということが、
実はゴロゴロ転がっているかも知れませんね。
家の裏山にゴールドかダイヤモンドが埋蔵されていませんかね・・・笑