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自然公園法の制限にご用心

最近、自然公園法に関する過去記事へのアクセスが増えています。※下のリンク参照

【留意点】自然公園法の制限について

おそらく、自然公園法の制限がかかる地域の取引が増えているのではないでしょうか。

 

あと、自然公園法の制限に関するトラブルを最近聞きました。

自宅を建築するための土地を買った後に

第2種特別地域にかかることが分かり、

希望するサイズの住宅を建築することが出来なかった事例です。

 

制限の代表的なものとして、隣地・道路から建物を5m以上離さないといけません。

※「一定の要件を満たした自宅」に関しては建ぺい率・容積率・外壁後退の制限を受けません。

 

例えば、15m×15mの正方形の土地があったとします。

地積は225㎡(68.06坪)です。

すべての境界から5m後退しないといけないのであれば、

5m×5mの範囲内に建物を収めないといけません。

建築面積はMAX25㎡(7.56坪)です。

1Kのアパートの部屋ぐらいのサイズです。

建ぺい率10%が適用されるなら、建築面積はMAX22.5㎡(6.80坪)です。

加えて容積率20%が適用されるなら、延べ面積MAX45㎡(13.61坪)ですので、

2階建てにしても、1Kの部屋を2つ上下に重ねたぐらいの住宅しか出来ない計算になります。

しかも建物は敷地のど真ん中にしか配置できません。

 

このトラブル事例では、売買契約の際に不動産屋を仲介に入れなかったことが、

自然公園法の制限に気が付かなかった一番の原因です。

これが銀行の融資が絡むなら、仲介業者を契約に入れるのが融資の条件となってトラブルは防げたと思いますが、

現金決済だったようです。

しかし、【売主が事業者:買主が一般消費者】なので、

消費者契約法が適用されて理屈上は白紙解約できる事例かと思います。

これが【売主個人:買主個人】の場合は、大分こじれるかも知れません。

理屈が通じない売主は世の中にいっぱいいます。

 

買主が自身で試行錯誤しながら、なるべく業者の手を借りずに事を進める意志は、

私も事業者の端くれとして、自立心があって素晴らしいことだと思います。尊敬します。

ただ、不動産取引の失敗は致命傷になりかねませんから、

不動産屋を仲介に入れてくれとは言いませんが、ほんと慎重にお願いします。

 

たまに所有権移転登記を自分でやりたいと語る買主がいますが、

登記の失敗はシャレにならないので、私は止めています。

融資が絡むなら銀行も反対します。

こればかりは必ず司法書士へ依頼してください。