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値付けの話

売買物件でも賃貸物件でも、値付けは以下のパターンに大きく分けられます。

 

①不動産業者が提案してそのまま価格が決まる

このパターンが一番多いかと思います。

私は提案するときには過去の取引事例と私の相場観を所有者へ伝えて、

「すぐに成約するであろう価格」と

「じっくり待てば決まるであろう価格」を

提示しています。売買においては後者で価格を決めるパターンが多いです。

前者が理屈からはじき出される価格で、後者が感覚的な価格です。

明確な根拠がないといまいち信用できないイメージがあると思いますが、

感覚的なものって言語化できていないだけで案外馬鹿にできないですよ。

その辺は不動産屋の腕の見せ所です。

 

 

②所有者(一般人)の一存

このパターンもちょくちょくあります。

たまに相場を無視したような強い価格設定のものがあるときは、このパターンが多いはずです。

大体は所有者に余裕があって、決まればラッキーぐらいの感覚で出しているものが多いかと思います。

 

時々あるのですが、現地看板を見て問い合わせしてきたお客様に

価格をお伝えするとビックリされます。

なかには相場がどうのとか非常識だとかいろいろ主張されて、

なんだか私が責められているような状況の時があります(›´ω`‹ )

こればかりはしょうがないんです。

所有者も相場からかけ離れていることは承知のうえで、

それでもその価格で出しています。

これで私が一方的にいろいろ主張されるとすごく理不尽な気持ちになります。

そもそも、私のような仲介メインの不動産業者は手数料収入で飯を食っているわけですから、

成約する見込みの薄い価格を私が付ける動機はないですよ。

なんなら、全部安い価格で出した方が成約率は高まって私の収入が増えますからそうしたいぐらいです。

しかし、ご依頼いただいた所有者さんに損はさせたくないですし、

所有者さんも余程のことが無い限り安売りする理由はありませんから、

それなりの価格で募集広告を出すことになります。

 

 

③所有者(不動産業者)が自分で決める

不動産業者が所有者の場合もあります。

価格はその業者さんの考え次第ですね。

需要が強い場所においては高めの価格を付ける業者さんが多いかも・・・

その代わり、直で所有者と話をすることになりますから話が早いのと、

仲介手数料が掛からない点はメリットです。

 

 

【番外編】高く出さざるを得ないケース・・・

売買物件の場合、一定の価格で売れないと抵当権を外せないことがあります。

買って(建てて)数年で売却となった場合は残債がまだたっぷりありますから。

抵当権を外せなければ売買は不可能です。

抵当権が外せる金額が相場以上のものだと売主さんは苦しい立場です。

新型コロナ直前に事業用物件を買った(建てた)方は運が悪かったとしか思えませんが、

これから買う(建てる)方はそうならないように、

資金計画は他人の意見に流されずにしっかりご自身で考えましょう。

私も3年前に自宅を建てたばかりで、去年独立を決めた途端にコロナ禍ですから

他人事だとは思えません。他人の心配よりも自身を心配した方がいい立場ですよね。

仕事がんばります(完)

 

 

成約価格は需要と供給、所有者の経済事情、買主(借主)の資金力、

社会情勢、営業マンの交渉力、居住用と事業用の違い等の様々な要因で決まります。

いずれのルートを辿るにしても最終的には所有者が決めることです。