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査定の話

不動産屋に仲介手数料を払うのが嫌だから・・・

不動産屋は信用ならないから・・・

 

という理由で、個人間売買を選択する売主様が一定数いらっしゃいます。

最近また安売りしてしまった事例を耳にしました。

売ったご本人は安売りしたことに気付いていないと思われますので、

このまま一生気付かない方が幸せに過ごせるかと思います。

 

世の中いろんな不動産業者・営業マンがいますが、特殊需要を知っている人は、相場より高く売ることがあります。

以前、100~200万円ぐらいじゃないと買わないんじゃないの?と馴染みの同業者・投資家みんなが口にする土地を、

急ぐ必要が無ければ特殊需要に賭けて1,000万円で売りませんか?と売主に持ち掛けたことがあります。

300万で買付の打診がありましたが断り、結果は売出しから1年半ぐらいかけて750万円で売れました。

このように私みたいな不動産屋に任せて良かったケースも、もちろんあるわけです。

ちなみに、他社に先を越されたので私はこの取引には絡んでいません(›´ω`‹ )

徳を積んだと思って来世に期待します。

 

特殊需要の種類はいろいろありますが、狭い世界の出来事なので、一般的には知られていない情報です。

私は物件査定をする時に何らかの特殊需要は無いかを考えます。

売主の事情・経済状況を聞いて早く売るべきか、時間がかかりがちなので売主に胆力があるか、その辺も考慮しながら、

高く売る勝負ができると思う物件はそう提案しますよ。

安く売り出して早く売れた方が仲介手数料をいただけるので、私にとってはその方が都合がいいのですが、

高く売れる可能性があることを黙っておくことが出来ません。

 

世の中いろんな不動産屋がいます。個人売買を選択するかどうかはご本人の自由ですが、

査定ぐらいは何社か不動産屋にさせた方がいいと考えます。大体が無料ですし。

では、どの不動産屋に査定を任せるか・・・

 

① 自分の眼力に自信があるなら、不動産屋の広告文やブログ等を見てこれはと思う業者を選定。

② 自分の眼力に自信が無いなら、3名の信頼できる人にそれぞれ不動産屋を1社ずつ紹介してもらう。

③ ①と②をミックス

 

こんな感じで検討してみてはいかがでしょうか!

 

地形を事前に知りたい

山や高低差のある物件を預かることが多いのですが、

現地を見る前に、ネットである程度の地形を把握できますよ。

 

山の土地は実際に現地を訪れると、

「思っていたよりも使える面積が小さかった」

とがっかりすることがよくあるはずです。

 

そんな残念な気持ちになる案内を少しでも減らしたいので、

見学前にある程度の地形を把握することを推奨します。

以下は、その足掛かりになる情報です。

 

●地形図、航空写真

当WEBサイトでは、高低差のある物件は等高線の入った地形図や

航空写真をダウンロード出来るようにしています。

等高線は5m毎と2m毎のパターンが多いのですが、私は図面の右下に

「※等高線は高低差5mを表す」というような表現を記載しています。

 

地形図は縮尺がないのと土地の境界線(筆線)がないので少し不便です。

航空写真はその点をクリアしています。役所の税務課で誰でも買えます。

窓口で等高線を入れてくださいとリクエストすると入れてもらえます。

 

等高線入り航空写真の実例

 

 

 

●地理院地図、沖縄県地図情報システム

ネットで「地理院地図」や「沖縄県地図情報システム」を検索して触ってみてください。

等高線の入った地図が見られます。

やんばるだと地理院地図で1970年代の航空写真を見ることが出来ます。

東京・大阪は戦時中の航空写真が見られます。

 

 

●グーグルアース

地形を知りたいならグーグルアースが最強です。

初期設定では2D(平面)で地図が現れますが、右下の3D(立体)をクリックすると、

下のような立体的な土地の姿が見られます。

大まかに地形を把握するならこれが一番です。

 

 ◆個人的に一番好きな機能が、マウスのカーソル(矢印)の位置の標高が出るところです。

  画像の★マークの位置がカーソルを合わせたところですが、画面の右下に標高が記載されています。

  精度を100%信頼しているわけではありませんが、大まかな地形を知るのには十分な機能です。

売地の位置にご用心

「数年売りに出している土地が、実は違う場所だった」ということがありました。

私を含め、複数社が同じ土地を広告に出していますが、みんな位置を間違えています。

この記事を書いている時点で、私だけが先に正しい位置に地図と写真を訂正しています。

 

そもそも、売主がこの土地の位置を間違えて把握していたようです。

測量を入れて境界杭がしっかりあり、草刈りもされて、

元付業者からここが売地ですと案内されたら、そりゃあ疑いませんよ。

 

何故間違えたかは分かりませんが、付近一帯がすべて手付かずの原野で、

土地の形もみんな似たような形状ですから、気付きにくい状況ではありました。

しかし、測量した方は大丈夫ですかね?何故そこへ杭を打った?(笑)

 

ちなみに、測量をする方にも色々いらっしゃるのですが、

土地取引では「土地家屋調査士」が行った測量でなければ法的な裏付けはありません。

万が一境界トラブルがあっても、裁判では土地家屋調査士が行った測量成果を採用します。

「測量士」が行った測量は目安にはなっても、土地取引の世界では有効ではありません。

でも、測量士でも技術的には問題ないはずです。

ほんと、何故そこへ杭を打った?(笑)

 

この間違いに気付いたきっかけは、航空写真とにらめっこしていた時でした。

木の位置に違和感があったのでまさかと思い、現地を巻き尺で図ると予感は的中。

土地の位置が1区画分ズレていました。

やはり不動産業界では人の話を鵜呑みにしないことは大事ですよ。

売主の言うことですらです。

必ず自分で一次情報に当たりましょう。

 

今回は取引に至らないうちに気付いてよかったですが、

お問い合わせいただいたお客様には迷惑をかけてしまいました。

以後気を付けます。

譲渡日の話

とある土地の条件付所有権移転仮登記(条件 農地法第5条の許可)を

本登記にした場合、税法上では譲渡日をいつと見なすのか?

 

最近関わった案件でそのようなことがあったので調べました。

いつから土地を所有しているかで、売却後の譲渡所得への課税額が倍ぐらい変わります。

長期譲渡20.315%、短期譲渡39.63%ですからね(※2022年6月現在)。

本登記を行ってから所有期間を起算するとなると、

本登記後に即売却したら譲渡益の39.63%の税金を払うことになるので、

今後の売却時期や売却額の判断に大きな影響を及ぼします。

 

税務署に電話で確認したのと、税理士によるネット記事で確認したところ、

「物件の引渡しがあった日」が所有期間の起算日(譲渡日)でした。

今回のケースでは「土地売買契約の締結・代金決済・土地の引渡し」が

同日だったので、その日で間違いなさそうです。長期譲渡20.315%に該当しそうです。

 

しかし、本当にそうなの?という不安があります。

税務署という一次情報に当たりはしましたが、それでも100%安心できないのが不動産屋の性です。

官公庁に限らず、これまでに何度も落とし穴がありましたので。

※損害賠償に至るような取引の失敗はサラリーマン時代を含めてこれまでありません

 

売主様ご本人から税務署や顧問税理士等に直接確認していただいて、はじめて安心できると思います。

◆「評価額」にご用心

私を悩ます「評価額」という言葉があります。

 

役所から毎年届く固定資産税の納税通知書に書かれている「評価額」というやつです。

役所の窓口で取得できる固定資産評価証明書・公課証明書にもその「評価額」が記載されています。

不動産業者の立場から言うと、「評価額」という表現は大きな誤解を生み、不動産の売主が損をすることがあるので、

表現を変えるべきだと考えます。

 

以下は実例ですが、「評価額」と売却額に大きな乖離がありました。

結論から言うと、3,900万円で売却できた土地は、「評価額」が1,113,542円でした。

実に35倍の開きがありました。

このケースでは、かつて家が建っていた土地を更地にした後、長年畑として利用していました。

台帳地目・登記地目は「宅地」ですが、課税地目が「一般畑」となっているので、

「評価額」がめちゃくちゃ安いというわけです。

しかし、少し整地すれば家が建つ土地で、法的にも建築が可能でしたし、

住宅街にポツンと取り残された更地で需要が旺盛な地域だったので、

過去の取引事例よりも少し高い価格で売れました。

 

で、何が問題かと言うと、役所が言う「評価額」を【売買するときの妥当な金額】

と誤解する方が世の中にはいるということです。

 

●売主サイドの誤解が生む悲劇

 誤解したまま売ってしまうと、大損します。

上記の例で1,113,542円で土地を手放したとしたら、

本来得るべきだった金額を知った時には愕然とするでしょうね。

何せ35倍ですからね。

 

●買主サイドの誤解が生む悲劇

 個人間取引で多いのですが、「役所の評価額が●●万円だから売主の売却希望額●●●万円は不当に高過ぎる!」

と思って私にこの額が妥当かを相談してくる方がたまにいます。

相談者に「市場に出すとそのぐらいの価格で売れそうだから妥当な金額だと思いますよ」と伝えると

納得いかない様子で帰っていく方もいました。

その方は自分に都合の良い回答が得られなかったので「やっぱり不動産業者はクソ!」と思っていたかも知れません。

役所の「評価額」が妥当でしょと言うなら、墓地はゼロ円、宅地に転用できる畑は農地価格で取引されるべきです。

それっておかしいですよね?

 

◆このバグを突いて儲けを狙う人が世の中にはいるので気を付けてくださいね。

不動産業者は基本的には消費者である買主保護に動きますが、このようなケースでは売主保護に動きますよ。

情報弱者から情報格差を利用して儲ける話は見過ごせませんよ。

仮説と検証

不動産取引の調査で頻繁に官公庁へ行くのですが、質問の仕方に注意しています。

 

分からないこと(または明確ではないこと)を調べに行くのですが、

ある程度のことは自分で仮説を立てて、「私は●●●●と▲▲▲▲の理由で◆◆◆となると認識していますが、これで当たっていますか?」

と聞くようにしています。

質問に応じる方すべてがその業務を熟知しているとは限らないからです。

数年で部署の移動があったり、経験不足の若手さんがいるので仕方がないと思いますが。

 

以前、接道する道路の種類について、「1号道路」という認識で某官庁へ訪問し実際にそうだと窓口で回答を得ましたが、

別の窓口対応者が、とある業者さんに対して「43条但し書き道路の許可が必要」と回答したということで、

ちょっと業務に支障が出ました。

結果、後者の窓口担当者に会って確認したところ、やはり1号道路でした。

 

先日、別の官庁の窓口で必要書類を聞いて、後でネットで再確認したら、

窓口の回答が適当だったことがあったので、気を引き締めました。

 

窓口の担当者と対面していろいろ話を聞いて、それがガセネタであったとしても、

不動産取引においては「それを見抜けなかった不動産屋が悪い」となりますから、

自分の身は自分で守りましょう。

世の中は理不尽だし、落とし穴、地雷だらけです。

 

後輩には口酸っぱく言ってきましたが、

何でも鵜呑みにするわけではなく、相手任せにせず、必ず自分で裏取りしましょう。

自分が取引の全体像を描いて、自分主導で進めないとケガする世界です。

ほぼ表面化しないであろうリスクまで説明

先日、いつもお世話になっているお客様が物件を買うということで、

価格が妥当か見て欲しいとの相談がありました。

その流れで留意点を6つ洗い出したところ、少し驚いたご様子でした。

 

特に自然公園法の第2種特別地域の制限、「建築物は道路境界・隣地境界から5m後退を要す」

という点を知らない不動産屋もボチボチいると思いますよと話すと、

「じゃあ売る人はそういうのを知らない業者に任せた方がいいね(笑)」とのお言葉をいただき、二人で笑いました。

ちなみに、その物件は再建築時に5m後退の制限を受けると、建坪15㎡(4.53坪)しか活用できない物件でした。

こういう物件は既存建物を極力延命させる努力をするか、隣地を買い増しして活用可能な面積を増やさないといけませんね。

 

上記は将来間違いなく表面化するリスクですが、ほぼ表面化しないであろうリスクまで説明することによって、

お客様をかえって不安にさせ過ぎていないか?とか、確率の低いリスクまで説明することによってお客様が引いてしまい、

この物件で楽しく暮らすであろう未来を潰してしまうのは正しいことなのか?とよく自問自答しています。

しっかり説明しますけどね。

 

取引で損をするとしたらお金を出す側の買主の場合が多いですから、

基本的には買主保護の考えが強いです。しかし、こうも思います。

しっかり説明して私が損害賠償責任を負うリスクが無くなれば

安全な取引ができて、結果的に売主・買主も守れるという考えです。

やはり、安全な取引の実現が不動産屋の存在意義ですよ。

 

【法人売主様へ】

ちなみに、法人売主と個人買主の取引の場合は、

消費者契約法で法人売主側に「契約不適合責任」が認められる可能性がありますので、

それを踏まえて、どの不動産屋に仲介を任せるかをしっかりご検討くださいませ。

 

【余談】

更地クエストは一旦打ち切りにします。

とても有難いことに、いろいろ依頼が増えてきました。

6月~11月2週目まで忙しくしていたので、寒くなるし冬はゆっくり生きようと思っていたのですが、

2期目の今期までは税金の絡みでボーナスステージだということに気付き、4月決算までガッツリ案件を取りに行こうと思います。

鉱業権

レアケースがあったので情報を共有します。

宅建業法に定められた説明義務のある「法令上の制限」には登場してこないのですが、

「鉱業法」は注意を要します。

 

沖縄では地下資源が少ないのであまり馴染みがないのかも知れませんが、

いま売買のお手伝いをしている名護市安和の売地(http://beach2103.com/sale/3076/

を調べているうちに把握しました。

 

この土地は近隣にセメントの原料を採掘する鉱山があったので、

もしやと思い調べると、やはり石灰岩の地層であり、

鉱業権の一種である採掘権と試掘権が設定されていました。

 

売主はこのことを全く知らなかったのですが、

不動産の登記簿に権利が設定されるわけではありませんし、

周知されることもありませんから、知らないのは当然です。

 

これは、鉱業権が設定されるのは地下深くの鉱物資源に対してであるからです。

地表と地下深くの資源は「所有者が別」という考え方ですね。

鉱物資源は国のモノであり、鉱物資源を採掘して活用したい(現実に採掘する能力のある)事業者

に対して国が鉱業権を許可します。

 

採掘するためには地表のどこかから掘り進めないといけませんが、

これが取引する土地に該当する場合、土地所有者が採掘事業に対して協力したくなくても、

採掘事業に合理性があれば、公権力により「強制的に土地を使用・収用」することが可能となります。

 

収用の可能性がある以上は、不動産取引の重要事項説明書に記載するべきことであると私は考えています。

今後の人生で「鉱業法による収用」に該当するケースはほぼないと思いますが、額の大きい不動産取引のミスは

一発退場があり得るので用心しておくにこしたことはないですね。

 

ちなみに、採掘権・試掘権を調べる場所は法務局ではなく、内閣府沖縄総合事務局(名護から遠い・・・)でした。

採掘権・試掘権を記載した書面(鉱業原簿)、鉱区図を取得しようとしたら、

めちゃくちゃ高くて涙目となりました(›´ω`‹ )

 

しかし、ただの山林と思っていたのが、見方を変えれば宝の山!ということが、

実はゴロゴロ転がっているかも知れませんね。

家の裏山にゴールドかダイヤモンドが埋蔵されていませんかね・・・笑

価格交渉はトレードオフ

価格交渉はいろいろ注意を要します。

交渉事はトレードオフですから、買主様にも腹を決めていただくことになります。

何かを得るためには何かを失う覚悟が必要です。

 

①今後一切の話を断られるリスクがある

→売主の中には価格交渉に気を悪くする方がいます。

交渉はやめて満額で買うと後で言っても、取引自体を断られるおそれがあります。

価格交渉に失敗しても買うお考えでしたら、不動産屋の担当者に「価格の相談をしても大丈夫そうな売主か」

をあらかじめ聞いた方がいいですよ。

もちろん、破談のリスクを負って交渉に当たる覚悟が出来ていれば、強気の交渉でもいいと思います。

 

②物件のマイナスポイントを挙げてそれを理由に価格交渉をする

→これは、諸刃の剣です。具体的なことを挙げて説得力がある一方、

売主の立場からすれば、相手の弱みに付け込む印象を与えかねません。

私なら、具体的な活用方法を説明して、物件を大事に使う旨をアピールします。

ただ、それを姑息と捉えて良く思わない売主もいると思いますから難しいです(笑)

 

③見学前に価格交渉

→これは不動産業者としては避けたいところです。

売主が腹を決めて交渉に応じると決断したのに買わないとなると、

売主としては、はしごを外された感があります。

不動産業者も売主からの信用を失います。

決断には売主の様々な考え・思いが詰め込まれていますから、

話に具体性もない状況で、いくらまで下がりますか?という質問には応じていられないですよ。

なので、基本的には見学して気に入っていただけてから(話に具体性が出てから)でないと価格交渉に応じていません。

価格交渉を行う際は買付証明書(購入申込書)をご提出いただいています。

 

④価格交渉に加えてその他条件の交渉

→これも避けたいところです。価格交渉か、その他条件の交渉か、

どちらかを一方を選んだ方がいいと思います。

あれもこれも要求すると売主から今後一切の話を断られるリスクがあります。

もちろん、そのリスクを負う覚悟が出来ていれば、強気の交渉でもいいでしょう。

 

どのように交渉するかは各個人の考えによりますし、

売主の性格によって対応を変えるのも作戦の一つかも知れません。

強気の交渉か、下手に出て交渉するか、いろいろありますね。

 

私がもし価格交渉をするなら、強気の交渉です。

「〇〇〇万円なら買う。ただし売主による測量は不要、契約不適合責任は免責。」といった感じです。

安く買えるならば、大勢に影響を与えない事柄には目をつぶり、売主の負担を減らす提案もします。

もし希望額まで下がらなければ見送ります。

確実に欲しい物件なら満額で買います。

 

大らかな時代の物事の後始末

過去の大らかな時代の物事の後始末をやることが多いです。

いろんな矛盾を解決していくのが不動産屋の仕事ではあるのですが、

法的な話とは別に「個人の感情」が絡んでくることが多いので、

ほんと、一筋縄ではいかないことだらけで疲れます(›´ω`‹ )

 

いまを生きる皆様、子孫への宿題を残すのはやめにしましょう。

未来の世代が難儀して苦しむことに繋がります。

どんなことがあるか例を挙げます。

 

①越境

・古くからある集落の古いブロック塀は越境していることが多いです。

どちらか一方が越境の場合や、お互いに越境し合うパターンもあります。

・お互いに納得して新たに境界を決めたが口約束だけで済ませて分筆しなかったがために、

公図・登記簿に反映されていないケースが過去にありました。

境界を決めた当事者は既に全員故人であり、非常に頭を悩ませましたが、わずかな面積でありましたし

わざわざ分筆登記せず越境部分を事実上買い取った形にして解決しました。

双方の遺族がとても紳士的な方々でしたので穏便に解決出来ましたが、

ちょっとでもごねる人が関わったらまとまらなかったと思います。

・過去に国道の範囲に建物が乗っているのを目撃したことがあります。

取引に関わったわけではありませんが、怖くて考えたくもないです。

・地面に接するところだと分かりやすいのですが、見落としがちなのが空中越境!

アルミ格子・エアコンの室外機・屋根のひさし等にも注意を払う必要があります。

 

②相続登記を行っていない

・不動産を売りたくても相続が出来なくて売れない・・・そんな悩みを抱えている方は多いと思います。

昔の人は兄弟姉妹が多く、移民で海外へ渡ったケースも多いので、

時が経つほど相続人が増えて散らばるので、話がまとまらなくなります。

相続人の数が5人ぐらいから「もしかすると話がまとまらないだろうな・・・」という予感がしてきます。

20名以上なら、もうまとまらないでしょう。相続人本人だけではなくその配偶者・子らの意向

もあったりしますから。

・相続登記の義務化が2024年をめどに法整備されそうなので、解決できる不動産が少しでも増えたらと願います。

 

③所有権移転登記を行っていない

・口約束だけで土地を売買したり、酒と土地を交換したという話を聞いたことがあります。

・相続した自分名義の土地に誰のものか分からないお墓がいっぱい・・・というケースを複数見てきました。

 まだ誰のお墓かが分かればいいのですが、所有者不明のお墓は非常に困ります。

遺族・関係者が長年訪れていないお墓は草木が伸びたり荒れているので見れば分かります。

法的手続きを踏めば改葬できるのですが、誰のものか分からないお骨を改葬するのは気が重いですよ。

 

④旧建物の滅失登記を行っていない

・このケースも非常に多いです。一見更地でも登記上は建物が残っているので、

建築するときに建ぺい率に影響が出るおそれや、さいあく建築確認が

取れない・融資が下りないことも予想されます。

・建物を取り壊した経緯を知る人物が全員亡くなっていた場合、

滅失登記はかなり難儀しますよ。滅失登記の費用も安くはありませんから、

子孫に余計な出費をさせることになります。

 

 

◆祖先がこういったトラブルの種を残したのは情報・知識が無かっただけで意図的ではなかったでしょうし、

承知していたとしても、どうしようもない理由があったのかも知れません。

今の時代は情報・知識が蓄積されていて、それらに誰でもすぐにアクセスできます。

解決方法もネットに転がっていたりしますよ。

このブログを見ている方は不動産に興味がある方や同業者しかいないでしょうから

情報が届く方が限られていると思いますが、こういう情報を蓄積していくのは社会的意義があると勝手に思っています。

 

やんばるではよくあること

最近、山間部の案内が増えてきましたので、

やんばるにおける「物件探しの留意点」をまとめた記事を貼ります。

田舎の土地探しあるある

 

⑦の通信環境に関する情報を追記しました。

このような情報は共有していきたいです。

ネットの真髄は「集合知」だと思います。

このブログでその一助となれば幸いです。

どんどん情報を蓄積していきたいものです。

田舎の土地探しあるある

これは声を大にして主張したいことなのですが、

田舎の土地探しは以下のことに注意を払ってご見学することをおすすめします。

物件広告の写真や航空写真、ストリートビューで事前に分かることもあります。

 

【やんばるの土地探しあるある】

①上水道本管までの距離が遠い

これが一番です。引込み工事代で1mあたり2万円(※目安です。現場の状況その時の相場により金額が左右されます。)

だとしたら、500m引き込むと1,000万円。土地代より高くつく恐れがあります!

都会ではインフラが整っていて当たり前という感覚があるかと思いますが、

田舎でそれは通用しません。

田舎、特に山の中は上水道が通っているかは必ず確認してください。

都市部が如何にお膳立てされてインフラが成り立っているのかを実感するはずです。

 

個人的にも土地を探していて安い土地をネットで見つけて色めき立ったものの、

水道が周辺に敷設されてなくてガッカリ・・・というパターンが多いです。

 

●水道が敷設されているかどうかの簡単な見分け方

①周辺に家や建物がなかったら、そこはほぼ水道が未整備です

②道路のアスファルトに細長く長い距離を工事した形跡がある → 道路開通後に水道を敷設した可能性あり!

 

水道が近くまできていたら先人に感謝しましょう!

 

②街灯が無くて夜が暗い

物件を見学するときは日中がほとんどだと思います。

見落としがちなのですが、土地の前や周辺道路等に街灯があるかも見てください。

田舎で生まれ育った私としては夜に周辺が暗いのは当たり前ですが、

都市部から来た方には不安を覚える方もいらっしゃるかと思います。

ちなみに、街灯は大体において字(自治会)が設置して電気代を負担しています。

予算に限りがありますから、基本的に住宅街にしか街灯はありません。

山の中に街灯はありません。

その反面、都市部に比べ夜空に見える星の数が断然多いですよ!

やんばるの多くの場所では肉眼で天の川も見えます。

 

③「がけ」に接している

やんばる(漢字で書くと山原)と言われる通り、起伏が激しい地形が多いので、

当然がけに接している土地も多いです。

その際は擁壁設置やしかるべき措置を行わないと建築が出来ない恐れがあります。

下手したら擁壁工事代だけで1,000万円オーバーすることも・・・

下のURLにて、がけ条例の概要をまとめています。

http://beach2103.com/wp-content/uploads/document/cliff-regulations.pdf

 

中古建物を買う時も注意が必要です。

建築時に擁壁工事をしなくて既存不適格となっている建物が散見されます。

今は緩かった時代とは違いますから、再建築時には擁壁工事を要する恐れも

想定しながら高低差に注意を払ってください。

 

大まかな地形をネットで事前に知る方法を下のリンクにまとめました。

よろしければ参考にしてください。

地形を事前に知りたい

 

④自然公園法の特別地域に入っている

海岸沿いや本部町・今帰仁村だと山間部、つまり風光明媚な場所は自然公園法の制限を受けている可能性が高いです。

詳しくは下のリンクにまとめています。

【留意点】自然公園法の制限について

 

⑤防災無線のスピーカー

これも都市部から来ると馴染みがないかも知れません。

周辺の電柱や公共の建物にスピーカーがないかを見てください。

多くは朝7時、お昼12時、17時の定時チャイムが鳴ります。

また、公民館や役場からのお知らせが不定期であります。

災害時に危険を知らせる目的のものなので音がうるさくて当たり前です。

向きを変えることも当然できません。

県外から移住してきて防災無線がうるさいと苦情を入れた人の話を聞いたことがありますが、

向きを変えたら、例えば避難喚起の放送が本来届く所に聞こえなくなったら大変ですよ。

 

⑥周辺に家が一軒も無い

検討中の土地周辺に建築物が無い場合、何らかの建築制限があることを疑った方がいいです。

多くの場合は建築が出来ない制限があります。

代表的なのは農振農用地区域です。農業以外の活用が出来ません。

あとは、単純にインフラが届いていないから誰も家を建てていないパターンがあります。

 

⑦通信環境が脆弱

現地へ行ったときは、必ず携帯電話の電波が入っているかをご確認ください。

できれば家族や友人にその場で電話をして通話が問題ないかを確かめてください。

あと、ネットも問題なく利用できるかも確かめてください。

山が邪魔して電波が届かない場所が多数あります。

 

光回線が未整備の地域があります。

整備状況はNTT西日本のサービス提供エリア確認のページ(下のURL)から確認できます。

https://flets-w.com/cart/?etc_data_kks=kantan%3D1%40

名護市内でも意外なところが未整備だったりしますから、ご留意ください。

 

TVアンテナもご留意ください。

山が邪魔して映らない箇所が多数あります。

周囲の地形を見て山が近くにあればTVが映らないことを想定してください。

集落内であれば地域の共同アンテナから線を引くパターンがあります。

その場合は大抵は公民館が相談窓口です。

光回線が整備されている地域でしたら、ひかりTVと契約する方法もあります。

 

これら以外にもいろいろ注意を払うことはあります。

例えば、

・盆地で真ん中に川が通っていたら、異常気象時には川が氾濫する恐れがあります。

・畑で野菜を育てていたらイノシシに掘り返されることもあります。

・路線バスが通っていない、もしくはバス停まで遠すぎる。

・地域にスーパーが無い。

書くとキリがないので、このへんでおしまいにします。

地形・インフラ・周辺環境はよく観察して見学することをおすすめします。

 

◆最後に!

 いろいろ注意点を書いてきましたが、もちろん素晴らしい点も沢山あります。

やんばるに不動産を買おうとしている方は、やんばるが大好きで何度も訪れている方が

多いでしょうから、それは百も承知かと思います。

 

 私は国頭村の山のふもとの水が湧き出るところで育ちました。

夜は虫やカエル、フクロウ等の鳴き声を聴きながら眠りにつき、

朝は鳥のさえずりで目覚めるという生活を送ってきました。

県内・県外の都市部でも生活してきましたが、やんばるでの生活が一番です。

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