最近、売農地の問い合わせが複数ありました。
いずれも新規就農の方でしたが、農地は誰でも買えるわけではない点にご留意ください。やる気があって資金を用意できても、それだけでは農地を買うことが出来ません。
◆制限を厳しくする理由
新規就農&農地購入のハードルが高いのは非合理的だと思います。
耕作放棄地は多いし、食料自給率を上げるためにも、やる気がある人が農地を購入出来ないのは納得がいきません。
しかし、制限をかけている側(市町村・県)の考え方を聞くと、制限を厳しくするのには合理性があるなと思いました。
●やめる人が多い → 周辺農家に迷惑がかかる
私の親戚に農家がいますが、最初はやる気があっても続かない人が多いと話していました。毎日畑に向き合う現実は、厳しいものがあるようです。
放棄された農地は草木が生い茂り、周辺の農家に迷惑が掛かります。
①雑草の種子が飛散 → 周辺地主の草刈りが増加
②害虫・病害の発生源となる
③鳥獣害の温床となる(鳥、ネズミ、ハブ、イノシシ等の潜み場)
●投機目的の排除
将来の値上がり狙い、実質的な別荘地化、開発待ち保有、この辺を警戒しているようです。農地が高くなると、本気で農業をやる人が土地を買いにくくなり、生産量が下がることに繋がります。社会に悪影響が出ます。
◆遠方在住
問い合わせのパターンでよくあるのが、「住民票のある所が遠方の市町村や県外」です。
通い続けて農業するのは無理でしょ、ということで事前相談の時点で話が終わります。
◆それでも、やんばるで農業をしたい
やる気・資金があっても、いきなり農地を買うことが困難ですが、まったく買うことが不可能なわけではありません。
農業をしたい自治体に移住する → 借地からスタート → 耕作・販売実績を作る
このような手順を踏めば、農地購入を農業委員会から認められやすくなります。
かつて私が関わった新規就農案件では、下記のような流れで農地購入が出来ました。
①半年程度、地元の農家の手伝いをする。経験を積む&人脈づくり。農業は周辺農家との協調性が大事(水利・農道管理など)。
②農地法3条の許可を得て借地でスタート(農地購入は農業委員会に認められなかった)。借地契約の時点で地主さんの果樹があり、その栽培を引き継ぎつつ、他に野菜等も植える。
③1年程度かけて、耕作~販売までのワンサイクルを完結させる。実績作り。
④農地法3条の許可を得てようやく農地購入が出来た。
※個別案件・自治体で話が変わってくるので、あくまでも参考事例です。
※売主さんから果樹を引き継げたという点は、すぐに一定量を収穫できたので、実績作りにかなり有利に働いたと思います。本命の作付で実績作りに時間がかかりそうなら、最初は果樹付きの農地を狙うのがいいと考えます。
◆どうしてもすぐに土地を買ってやんばるで農業がしたい
上水道が敷設されていないような原野・山林は宅地化がされにくいので、一般宅地よりも低額であることがほとんどです。そういう土地を狙う方がいいでしょうね。水の確保、草木の伐採・伐根のコスト、土の改良等と課題がありますが・・・なんか、上のようなパターンで用意周到にやる方が良くないですか?不動産屋としては即土地を買ってもらった方が仲介手数料がいただけるので都合がいいのですけどね。
◆水耕栽培の施設建設は不可
最近知ったのですが、ダメとのことでした。わざわざ農地をつぶさなくても他の場所で出来るでしょ、という趣旨らしいです。