たまに「保有している土地を分譲して売り出したい」と相談を受けることがあります。
その時にまず確認するのは、売主が宅建業の免許を持っているか否か。
宅建士の資格の有無ではなくて、宅建業免許の話です。
ほとんどの方が宅建業者ではないので、「無免許で土地分譲は宅建業法で違法、判例もある」と伝えるとがっかりされます。
なかには理不尽だと怒る方もいます。
自分の財産の処遇に国が干渉するのはおかしいと。
ごもっともな考えだとは思いますが、それは個人の権利だけに着目した話です。
この無免許分譲禁止は、公の秩序を守るために個人の権利を制限しているものだと私は認識しています。
知識のない無免許の人が複数人に土地を売ってそれぞれトラブルが起こる・・・全国各地でこのような取引が横行したら世の中がめちゃくちゃになります。
というか、そのようなめちゃくちゃな状況が終戦後にあったので、1952(昭和27)年に宅建業法が成立しました。
そのような話をしても納得しない方が多いですね。
諦めきれないお客様から以下の質問を受け、しかるべき相談窓口2箇所へ確認しました。
・不動産屋が仲介に入れば問題がないのでは → ダメです
・不動産屋が売主になって、登記は地主本人から買主へ直接移転する → ダメです
・不動産屋が売主の代理人となって売る → ダメです
肝は、土地の登記名義人自身が宅建業免許を持っているか否かです。
どうしても分譲して売りたいなら、ご自身が宅建業免許を取得して業者になるしかないでしょう。
それが無理なら一括で買う方を見つけましょう。
ちなみに、以前に記事にした自然公園内の土地取引トラブルは、無免許分譲でした。やっていることがめちゃくちゃです。
(以下のリンク参照)
自然公園法の制限にご用心
売主さんも買主さんもご用心ください。