●木造、CB造? 赤瓦、セメント瓦? ガラス戸、サッシ?
古民家というと、私は木造+赤瓦+ガラス戸をイメージします。セメント瓦だったり、戸をサッシに変えているお家もありますね。ただし、躯体がCB造やRC造の場合は、私は「古民家風建物」と表現しています。CB造・RC造でも瓦屋根であれば雰囲気はいいですけどね。でも、古民家と言えば木造ですよ。
●琉球古民家
最近目にすることの多い単語。地元の人間からすると、すごく違和感のあるネーミングです。シンプルに古民家、または瓦家(カワラヤー)と言いますよね。本土の方向けのブランディングでしょうか。京都の古民家は平安古民家と言わないはずです。そのような違和感だと言えば伝わるでしょうか。でも、そのうち琉球古民家という呼称が定着するのでしょうね。イメージが湧きやすい呼び方ではあります。
●山の麓にご用心
北部の古民家は、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に入っていることが多いです。ただでさえ建物に担保価値がないのに、ハザード指定されていると金融機関からの借り入れはほぼ無理でしょう。現金で買うから大丈夫と思っていても、いざ手放すときに買い手が付きにくいですよ。
戦前は上水道がありませんから、水が湧く山の麓は一等地だったはずです。山の麓に集落が形成されたので、その名残が今でもあるわけです。そうした地域は建物が更新されていないケースが多く、古民家が残りがちです。
山の麓ということは、虫が多いですね。これは当然ですよ。木造の古民家は隙間だらけですから、虫やヤモリ等が侵入し放題です。古民家を改装した民泊のコメントで虫が多いと低評価が付いていたりしますが、田舎の解像度が低すぎと言わざるを得ません。賃貸アパートでもそうです。わざわざ山の中のアパートに引っ越してきて虫の文句を言う人がたまにいます。自然と付き合うという発想がまったくないですね。古民家を賃貸したり民泊で活用をお考えの方はクレームにご用心ください。
●伝統を重んじるのであれば隙間を許容しましょう
古民家に虫が侵入するとクレームを入れた入居者。貸主が隙間を埋めたら、今度は結露のクレームが・・・という話を聞いたことがあります。古民家のデメリットを理解して借りましょうよ。古民家は古民家らしく隙間だらけなのが自然ですよ。郷に入れば郷に従えです。細かいことを気にするタイプなら買ったり借りたりしない方がいいですよ。
●投資用で買うなら
基本的には、建物を評価せず土地価格で買うに限ると思います。もしくは1,000万円以下。この2パターンなら将来売りたいときに損はしない確率が高いと考えます。一生自分で使う覚悟がある方なら高い古民家でもいいと思いますよ。他人がどう言おうが自分が満足しているならいい買い物だと考えます。
●駐車場が多く取れたら化ける
例え高い古民家でも、駐車場が8台ぐらい取れたら損はしないと思います。事業用として使えるからです。事業の収益で元が取れますから、相場よりも高値で買っても損はしないという意味です。敷地が広くても前面道路が車両通行不可なら意味がないですけどね。車が通れる道に接していて再建築が可能なら文句なしでしょう。近くで空き地を借りて駐車場にする方法もありますが、私だったら自前の駐車場が絶対です。他人は当てにできませんから。
●戦前の建材
最近お手伝いさせていただいた古民家が、1949年に現在地に移築され、建材自体は戦前モノのお家でした。信じられないぐらい状態が良かったです。また、売主様のご厚意で大正8(1919)年の土地売買契約書、登記済権利証、戸籍謄本も見させていただきました。107年前ですよ。きちんと印紙も貼ってありました。しかも、戸籍に安政生まれの方の情報がありました。当時の戸籍には平民という身分を記載していたんですね。戦火を逃れ、家も書類も大切にされてきた方々に思いを馳せました。このお家を買えたお客様は相当ラッキーだと思います。
●私は古民家で育った
私が高校卒業まで育った実家が昭和16年築の古民家でした。しかも山の麓です。虫やヤモリは普通に入ってくるし、ネズミもいました。湿気もすごかったです。とある夏、カバンに入れていたフリスクの中身が消えていました。カバンがフリスク臭満載で、夏の暑さ+湿気で溶けてしまったわけです。
冬は寒く夏は暑かったですね。当たり前ですが。夏はともかく、冬は暖かい家に住んだ方がいいですよ。きっと健康寿命が延びます。室内犬と外犬の寿命差を考えるとそう思います。私の周囲の年寄りは大抵11月~3月に亡くなっています。寒さは体への負担が大きいと考えます。古民家でもエアコンを取り付けた方がいいですよ。